感想としては、全体的にとても落ち着ける暖かい展覧会でした。
たぶん、藤森さんの建築で使われる自然素材が館内に展示されていたせいで、木の香りでいっぱいだったこととか、床とか照明が暖かい雰囲気で空間設定されていたからだと思います。
最初の部屋は藤森さんの使う素材や実際の建築の写真、模型などが展示される一般的な建築の展覧会でしたが、2つめの部屋の入り口が、屈まなくては入れないような小さなものになっていたのが驚きでした。
固い体を折って必死に中に入ると、天井の高い館内の床にゴザが敷かれていて、靴を脱いで見るようになっていました。
入る前に、靴下穴あいてないかな…とか下ばっかり見ていたのでこの天井の高さは気持ちが良かったです。
屈んで入るのはこの天井の高さを感じさせるためなのかな…?
中は、広い空間に「土塔」と呼ばれる芝生で作られた大きな塔が何本かと、昨年のヴェネチア・ビエンナーレ建築展で展示された「路上シアター」という縄で編んで作られたドームが堂々と立っていて印象的でした。
この土塔、お菓子のたけのこの里のような形をしたものが大小合わせて5つか6つ並んでいたのですが、一番大きいものは5mもあるらしいです。
公式サイトによると、
「『土を盛る』ことから始まった人類と建築の関係を象徴する存在」らしく、
「滋賀県に開発中の住宅地に実際設置される約20mの土塔のモックアップ」だそうです。
20m!!
これはぜひ、本物を見に行きたいです。
他にもこの部屋には、「東京計画2107」という、温暖化現象で水没した東京のその後を描いた模型と、東北大学時代の藤森さんの卒業制作も展示されていました。
卒業制作の作品は、これが本当に学生の作品なのかと思うほどレベルの高い作品でした。
「幻視によってイマージュのレアリテを得るルドー氏の方法−橋」というもので、題名だけでも頭良さそうですが、内容も表現も素晴らしくて軽い衝撃を受けてしまいました。
私は卒業制作どうしようとか考えるだけで恐ろしいです。
この作品でフランスの建築家クロード・ニコラ・ルドーという人を知りました。
とても気になったので今度図書館で調べてみようと思います。
この二つを見て、建築というより芸術に近い世界のように感じました。
実際の空間になる前の考えの世界ですが、その想像力はすごいなあと思います。
私の知らなかった建築の新しい面が見られてよかったです。
このあたりから時間が迫ってきてしまい、最後の部屋の路上観察学会の展示はゆっくり見ることができませんでしが、トマソンなどの写真と、それぞれの研究発表や今まで出版された本などがたくさん並んでいて、ゆっくり読んでいたら時間があっという間に過ぎそうなボリュームでした。
ああ…残念です。
建築の展覧会って写真や模型でしか表現できなくて、なかなかその世界をつかむのが難しいのですが、この展覧会ではたくさん工夫がされていて、見ごたえがありました。
私は一人で見に行きましたが、友達と来るのも楽しそうです。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
さて、次こそ行くぞモネ展!!

パンフレットを別バージョンで撮ったもの。
このパンフ、紙質とか色とか素朴でかっこよくまとめていて好きです。